若いうちは、とにかくたくさん寝る。それと、大人だったら許されないような、少々危なっかしいことをやっておくといい。そうすれば立派なハヤシガメに育つ。
何度寝の末に、15時に起きた。

散歩をした。
痒い。今日は痒みの日か。着込んだコートの内側で、腕や背中、お腹あたりにずっとチクチクする感触がある。これはよくいわれる寒暖差アレルギー的な症状だと思ってる。たまになる。
近所の公園にいくと、遊具のエリアが新しくなっていた。古い遊具は撤去されたらしく、新しい大きな遊具が建っていた。まだ工事は終わってないらしく、テープが張られて近づけなかった。
ベンチに座っていたら、子供の5人組が現れた。学校帰りに、新しくなった遊具がどんなものか見に来たっぽい。「え、でかくね?」「すげー」「え、オモロイ」「でもちょっと待って。は? は? は? 雲梯なくなってる」「マジ?」「え、ほんとだ。雲梯なくなってんじゃん」「マルバツゲーム出来ないじゃん」「は? ごみじゃん」「うわー」「でもさ、あの下の部分残しておいてくれたのよくね」「それはいい」「あのおっぱいみたいなとこ何?」
その後も子供たちは、テープに沿って遊具の周りを巡りながら、次々と指を差し「あれ何」とか「あれなくなってる」とか「あそこどうやって登る」などコメントをつけていっていた。
そんな子供を見物しながら、僕はベンチに身を任せて夕陽を浴びる。体がチクチクとよぉ、気持ちわりーんだよお。痛みもあってえええ。瞑想アプリを使おうと思ったら、イヤホンのケースの中にイヤホンが入ってなくてできなかった。ため息をついた。
散歩を再開した。川沿いを歩いていたらおじいさんを見つけた。そのおじいさんは、右手に長いトングを持っていた。たまに立ち止まっては、道端に落ちているポイ捨てごみをトングで拾いあげ、左手に提げた袋に入れていた。たまに見る、自主的に街を美化しているおじいさんだ。
彼が提げている袋は布生地のトートバッグだった。それがなんか不安だった。ビニール袋とかじゃないんだ? タバコや缶、お菓子の包装紙などをトングでつまんで、入れるのは布製のトートバッグ。不安。異世界に来てしまったような違和感にとらわれる。不安不安不安。チクチクチク。
チクチクチクチク。
日が沈みかけた頃、床屋に行って髪を切ってもらった。担当の人がなんだかいい人だった。その人は、自分がやる行動を一つ一つ僕に言うのだ。それも「静電気で膨らみやすいので、今から水で落ち着かせますね」みたいに、それをする理由とか目的みたいなところまでセットで言うのだ。あと言葉の発しかたが良かった。音量もテンポも一定で、最後の一文字まで置いていくように喋った。僕はこういう、必要十分の内容を抑揚なく話す人が好きなようで、具体的にはフリーレンと日銀の植田総裁が好きだった。
散髪してもらう人の良し悪しとか普段考えないけれど、今日の人はフリーレンと植田総裁に似てて良かった。今後指名とかしてもいいのかな? とか思って、鏡越しに彼の名札を見てみた。「Stylist」と書かれていた。Stylistさんか、いい名前だなあ。

iPhoneの「天気」で見られる「風」面白すぎ! 前線と思われるところでは、風がほとんど直角に曲がったりしてる。あとやっぱ風って海上が凄まじいんだなあ。
帰って寝た。22時半頃に思わぬ来客がうちを訪ねて来て目覚めた。本当に思わぬ来客。日記に書けないくらい。
その後、眠れなくなった。布団でうずうずしたのち、4時頃に家を出てランニングをしてみた。しかしいざ走ってみると、身体に微ヒートショックみたいな感覚が起きた。着地のたびに、足の骨を通じて心臓や脳が揺れて、ツーンと痛く/痒く/くすぐったくなるのだ。水風呂に浸かったときによく味わう感覚だ。
相変わらず寒暖差に身体が過剰反応しているのかな。胡乱な来客のせいで不安になっていたのもあってか、なんか自分が今日本当に死ぬ気がしてきて怖くなった。ランニングを中断して、歩いて帰宅した。
ヒートショックで死亡しないことを祈りながら、服を脱いでシャワーを浴びた。絵の続きを描いて寝た。
生きててよかった。