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東京ゲームショウ2024、1日目!

下を見ると、ゲロがあった。大抵ゲロは下にある。ひき肉と野菜で構成されている。赤ピーマンや、キクラゲも見える。紫色は海藻に見える。
東京ゲームショウの会場である幕張メッセに来た。幕張メッセ、来るのが大変だ。片道1,000円以上の電車賃がかかる。往復で2,000円で、計5日通うので……? 僕は計算をやめた。どうして会場が、千葉にある。千葉県の一部は、どうも東京に入りきらなかったものを置くスペースにされているようだ。

壁に貼るものがない問題は、昨年iGiで作ってもらった縦型バナーを貼り付けることで、いい感じになった。そのバナーはタイトルロゴが下にあって具合が悪かったので、切断して上下を入れ替えさせてもらった。
持ってきた唯一のXBOXコントローラの端子が潰れてひしゃげていて、パソコンに挿さらなかった。僕は焦った。ありがたいことにGCGの方に同じ物を貸してもらい、事なきを得た。急死に一生だった。イベントは、人に貸すくらいの気持ちで余分に持ってくるのが定石だと思った。そして有料の椅子は、なるべくレンタルすること。
自ブース以外にインテルのブースにも出張で展示をしたので、そちらの様子も見に行った。すれ違う人らが「終盤の攻撃さ、予兆アレあったよね?……」などと言っていた。すれ違いざまに攻撃の話が聞こえてくるの、面白。ここにはゲームオタクしかいないから、みんな当たり前に攻撃や防御の話をしている。
インテルブースがなかなか見つからなくて迷っていると、先方から電話がかかってきた。僕は電話に出て、「もしもし! すみません今インテル向かってるんですけど」と言った。期せずしてインテル入ってるみたいなこと言っちゃった。僕は心の中で舌打ちをした。
いろんなゲーム関係の知り合いの方々と久々に顔を合わせ、話をした。俺、知り合い、多すぎ! 今日はアクティブには動かずブースに張っていただけなのに、それでも次から次へと知ってる方が来る。向こうから遊びに来てくれたり、たまたま鉢合わせたりする。今までなんとなく遠くから眺めていただけの人とも、新たにご挨拶をして、新たな知り合いになる。知り合いは、増えることはあっても減ることはない。怖い! ゲーム関係者ネットワーク。
ネットワークは難しい。「AさんとBさんは仲がいい」とか「CさんとDさんは思想的or事業的にバッティングしておりバチバチ」とか「EさんとFさんは視座が異なり、ねじれの位置にいる」など複雑な関係性のヒートマップがある。正直、そこまで追いきれない。でも、ここまでいろんな人と繋がってしまうと、どうしても「自分のポジションは如何に」ということも気になってくる。シュミットによれば、政治とは「敵と味方を分つこと」らしい。僕は今のところこの業界の潮流を八方美人で乗りこなしているフリをしているが、表現を突き詰めるならいずれ僕も特定のステートメントを担うことになるはず。それは必然的に、敵と味方を明らかにすることになる。のか? むしろ今の若さで誰ともバチバチしていないことの方が、クリエイターとして不健全なような気も……
やかましい! どうでもいい。クリエイターという自認も要らない。生まれた日からわたしでいたんだ。誰ともバチバチしていないことが不健全なんじゃなくて、現時点で自らのステートメントを練り上げられていないことがださいんだ。今日初めて知り合った人に、僕は言われた。「自分のフェチを、フェチで終わらせるな。フェチを自分のテーマのコアとして分析し尽くし、磨き上げろ。それがあなたのステートメントになる」
頭の回転が追いつかず、出力をセーブできないので、会う人に出会い頭に「トロヤさん、最近どうですか?」などと聞かれると、即座に「だめです」と言ってしまう。そこから、既定路線の愚痴の流れを組み上げてしまう。面目ない。こんなくだらないことを話しに来てるわけじゃないのに……。自分に正直になりすぎて、「ワッハッハ」と相手を置き去りにして一周回ってしまうのだ。僕は、話すのが下手だ。相手のフィードバックを待たずして自分のなかで勝手に演算終了してしまい、「ワッハッハ」するのだ。気持ちの悪い……。まあ自分で思っているほど、周りは気にしてないはず。
一度、ひとつの暗い話をしている最中に、まだ話し終わってないのに「そういえば」と別の暗い話をし始めてしまった。ネガティブの無限回廊にはまってオーバーフローした僕は「ウワアア!?」と頭と手を暴れさせてしまった。相手の方も驚いて「ウワア!?」と暴れた。我々は共振した。おかげで一旦、場を洗浄できた。イベントのときの僕は、いつもこんな感じだ。勢いまかせだ。
どの人も来てくれて嬉しかったけど、一番印象に残ったのは僕の使用しているゲームエンジン「GameMaker」の開発者が来たことだった。その人は、GameMaker製のゲームのブースに一通り挨拶回り?しているようだった。Death the Guitarを見て、英語で「このゲームは一目でGameMaker製だとわかるね!」と言った。僕は「I love GameMaker.」と言った。一緒に自撮りした。うれしかった。

ミライトワの等身フィギュアが遠目だと口の中が完全な真っ黒で、虚(うろ)に見えた。すごいと思って近づいたら、舌よりもやや窪んでいた程度で、空洞ではなかった。残念。
https://www.youtube.com/watch?v=QsskUgnrZrs
米津玄師『さよーならまたいつか!』の『虎に翼』オープニング映像バージョンのMVを観て、泣きそうになった。シシヤマザキさんのロトスコープ手法が、この曲とドラマにおける大正解だと思えた。

帰りはイタリアンで、美味しいピザ(制限用法)を食べた。女将の人が、「無花果のピザ、試しにこの切り方にしてみたんですけど、どうですか?」と話しかけてくれた。「わたし、いろんな料理の展示会に行って、そこで勉強するんです。イタリアンだけじゃなくて中華や和食の展示会にも行ったりして、新しいメニューのアイデアにしたりするんですよ。カプチーノも、目分量で作るのとエスプレッソマシンで作るのじゃ全然違うので……おすすめのマシンを展示会のつながりで紹介してもらったりして」
飲食業界も、TGSやコミケみたいに展示会があるのだな〜と思った。女将さんに、僕がまさに今日展示会に行ってきたことと、僕が個人でゲームを作っていること言った。彼女は「個人でゲームを作るって、ゲームを商品として作って、任天堂さんみたいな大企業に売るんですか?」と訊いた。僕は「今はAmazonのゲーム版みたいな、インターネットでゲームを買えるプラットフォームがあるんです。だから企業の介入がなくても、個人が自分で自分のゲームを並べて、直接お客さんに買ってもらうことができるんです」と答えた。彼女は驚いていた。「そうなんですねぇ。すごいですね。そんなの、だって、私たちの時代じゃ考えれなかったですもんね?」と僕の目を見た。「私たちの時代」? ぼ、僕と女将さんの? と一瞬勘違いして混乱した。
帰った。明日も早いから、寝とこう。寝とくべき。もう寝ている。
ネクタイって、何のために締めるんだろう。何が目的で発明されたんだろう。僕の予想。ネクタイのようにブラブラするものを首にかけていれば、それが絡まったり暴れたりしないように、ある程度落ち着いた所作を余儀なくされる。それを利用して、労働者たちに制限された身体規格を無意識にインストールさせ、社会人としての規範や連帯感を刷り込むことができるから。どう?