ポートフォリオ作ってる

2024 - 10 - 26

快活CLUBで書いています。今日は朝起きて、英語の宿題をして、『伝説のスタフィー』をやって、ぼんよりしてたら夜が来た。

快活CLUBの個室にいる。就活用のポートフォリオを作っている。

快活CLUBは、僕が行き場を無くした時によくたどり着く行き止まりだ。もう眠たくて意識は飛びそうです!。!。!。

一生懸命やったつもりだが、進捗は芳しくない。冒頭に自己紹介を書いて、以降は作ったゲームの紹介を一通り記載すれば完成。こう言ってしまえば簡単だけど、それが全然できない。自分はこういう人間です、このゲームはこういうゲームです、などと、簡潔に書けるなら、はじめからゲームなど作っていないし、こんな日記など書いていない。自分はどんな人間かを、毎日をかけて表現し続けるのが人生だし、どんなゲームかを知ってもらうには、ゲームを遊んでもらうしかない。

そういった戯言が通じないのが、社会なのだった。ガーン。言語やグラフィックを用いて、自己や作品を、裁断して、切り分けて、わかりやすい形にまとめてお出しするのだ。そうでもしないと、社会は、食べてくれない。僕は人間をやめて、人材になるのだから、要約する。狙いをつける。重要なことを炙り出す。ゲームを通してどのような体験を与えることを目指し、そのためにどのような工夫をし、どのような試行錯誤があったのかを、伝える。自分にどのような能力があり、どのような形で組織での開発に貢献できるのかを伝える。やろうと思えばできる。でも、くだらねー! そんなTwitterみたいに、本質情報だけを太字でお伝えする気にはなれない。重要なことと重要なことの間に隠れているほんの砂粒のような細部が、時として人の心を救うんだよ。そういうリアリティに、俺は生かされて、来たんだよ。情報に優先度をつけろとか、言われると、身体がバラバラにされるような気持ちがして、ヒヤッとする。『ゴールデンアイ 007』で頭をデカくした状態のような怪物になるぞ。ゲームプランナーの参考用ポートフォリオを見ると、本当に情報に優先度がつけられていて、びびった。もっとこう、淡々とした味気ないポートフォリオじゃだめなのかな。背景も真っ白にして、作品のサムネイルだけ載せて、あとはプレイ動画のURLに誘導するとかで、だめですか。「〇〇〇しまくる爽快感 + △△△をモチーフにしたことによる背徳感 = 最高の◇◇◇体験!」のようなキャッチーなことを、書く意味が、わからない。ゲームの魅力をそんなちゃらんぽらんな言葉でまとめてしまったら、無数の他の情報が削ぎ落とされてしまう。どんな賑やかな触れ込みをしたところで、実際に手に取ってみないと、良いゲームかそうでないかはわからない。上の方程式が実現されていたとしても、手触りがカスだったら意味がない。入力に対する出力が杜撰だと、コンセプト未満の問題になる。参考ポートフォリオのことごとくが、背景やフォントをゲームの世界観に合わせたものにするとかをして、ページ全体に雰囲気を持たせている。そういう目を引く工夫みたいなのを、しなきゃいけないのですかね? それは、就活戦略として? 自己表現として? それともプランナーに求められる技能の一環として? わからない。どういうつもりで楽しげで賑やかなページレイアウトを作っているのかわからない。そんな小手先の紙面デザインで、没入は生まれない。生まれるとしてもその没入は、ゲームそのものがもたらす没入とは別のものだ。ゲームデザインがいかにを没入を探求してきたかを、舐めない方がいい。ディスプレイに齧りついて、夜を明かしながらぞくぞくし続ける体験を、忘我を、その紙面で表せるか。それらの”優れた”ポートフォリオからは、僕は「体裁が整っている感」しか感じることができなかった。

早く面接をしたい。目を合わせてお話しする方が、よっぽど自分のことは伝えられる。僕は話すのは好きだ。得意なことも、苦手なことも、詳らかに伝えます。それ以外の雑談もします。あなたの好きなゲームや、好きな音楽、好きな映画、好きな場所、好きな時間を教えてください。僕はそれについて、興味を持つ自信があります。この世界は知らないことだらけだから。僕は知らないことを知るのが好きだから。僕が好きなのは、快活CLUBの気の利かない空調とブランケットの形や、意味ありげな建物の凹み、猫がさっきまでいたところなどです。他にもたくさんあります。僕がゲームのことを好きな理由も、作る理由も、伝えられます。僕が御社に入ってゲームを作りたい理由も、伝えます。会社に所属して、大作のゲームに携わることの意義については、目下考え中ですが、その悩みも共有します。僕は一人で悩みこむということはあまりしません。頻繁に周りの人たちに頼って、話して、相互に刺激を与えてあって、成長の手がかりを得たり、答えを見つけたり、ふっと息をついて前を向く勇気を得たりして、なんとか乗りこなしてきました。もし暫定的な見解が生まれたら、すぐに伝えます。それまでは一緒に悩もう。僕の目を見てください。

この個室に入る前、一瞬カラオケルームを利用できたので、僕は『セーラー服を脱がさないで』を歌った。マイクを持って。ボリュームのつまみをひねって。カラオケなんてずいぶん久しぶりだった。

ポートフォリオ、明日じゅうにひとまず完成まで持っていきたい。上に書いたさまざまな抵抗感はあるけれど、そういう葛藤を内包したスタンスで作られるポートフォリオというのも、きっとあると思うから。別に気分次第では、僕の自意識を杵で粉砕して徹頭徹尾サービス精神あふれたモノを作ってやってもいいし。寝てから、気の向くままにやる。どうせ添削はしてもらえるのだから。一人で困っていても、テンポが遅い。さっさと形になったものを作って、人に見せて意見をもらって形を変えていこう。

快活で寝ます。