お布団を動かす環境活動家
親戚からイチゴが贈られた。イチゴは、丸くて大きな籠にみっしり詰まっていた。祖母はイチゴを取り出して、冷蔵庫に入れた。そのあと、空になった籠のなかに、余った柔らかい布を敷いた。それを陽の当たる窓際に置いた。
しばらくして僕が窓際に行くと、布の敷かれた籠のなかにすっぽりと猫がおさまっていた。祖母の思惑通りだった。猫はイチゴになっていた。
インターンの疲れで、昨日までの2日間はほとんど寝ることしかできなかった。今日は、だいぶ普段のコンディションに近づいてきた気がする。インターンのおかげで体調が大きく崩れたので、相対的に「普段」のありさまがはっきりと意識された。
病院に行った。受付の人がもとの声の低い人に戻っていた。あ、辞めてなかったんだ。「トロヤさん」名前を呼ばれて診察室に入った。診察室のドアノブのレバーは、常に下がっている。だから押したり引いたりするだけで、開閉ができるようになっている。壊れているのか、あるいは患者の心理的負担を減らすための工夫だったりするのかな。
先生に「薬代高いでしょ? 自立支援制度を申請したら医療費が1割負担になりますよ」と言われた。診断書を作ってもらい、僕はそれを持って市役所に行った。

市役所の入り口の人に事情を伝えたら「障害福祉課」に誘導された。障害福祉課。Handicapped Persons Welfare Section。僕はHandicapped Personになったのか? 診断書を出したら、すんなり1割負担になった。

トイレ。
障害福祉についてすこし考えていたけど、まあどうでもいいかと思った。病院代が三分の一になってくれるなら、なんでも。
帰宅した。
12月前半は忙しい。
講評会は今週末の金曜日だけど、ゲームなど事前に講師に手にとってもらう必要のある作品は、今日が提出の〆切だった。まったくアップデートできなかったけど、この前展示した『D_ELL』のビルドを提出した。このタイトル気に食わなくなってきた。変えたい。
講評会までに完成させることは無理そうだが、それでも講評会まで、できるだけ開発を進めよう。僕の作戦としては、さっさと『D_ELL』を完成させてitchで公開し、あとは『Death the Guitar』のことだけを考えるのだ。
しばらく色々と予定が立てこんでいる。でも、どれも素敵な予定ばかりだ。素敵な予定のありがたさを噛みしめ、日常は粛々と進めたい。
お布団を自室から出した。今日から和室(ではないが、もしこの家に和室があるならばここがそうだったであろう部屋)で寝ることにした。自室に寝床があると、つい寝転がってしまうからだ。作業環境をととのえ、さぼり癖のつきにくいルーティンを目指すのだ。起き次第布団を畳んでしまえば、寝るまでは寝られないはずだ。健全な達成は、健全な環境に宿る。
インターンのときも、僕は布団を移動させてたな。枕を抱え、エレベーターに乗っていた。そういう習性。