スパッツを穿いた女たち
玄関扉の開く音がして眠りから覚めた。目を開けると、スパッツを穿いた二人の女に見下ろされていた。女たちはぴっちりとしたウェアに身を包み、頭にはヘルメットを被っていた。
どっちも姉だった。昨晩僕は姉の家に来て、そのままここで寝ていた。目覚めたら、もう一人の姉もやって来ていたのだ。彼女らはこれから二人でサイクリングに出かけるところらしく、一度この家で落ち合ったようだ。僕はほとんど意識が働いていなかった。姉たちは家を出て、いなくなった。僕は姉が多かったなと思いながら、ふたたび寝た。
スマホの振動を感じて、ふたたび目覚めた。LINE電話がかかってきていた。僕はすべてを察してウワーと思った。今日は、大学の先輩二人とランチを食べる予定があった。11:40に三軒茶屋で集合の約束だった。今は11:43。オワタと言ったところか。僕は電話に出た。「すみません、今起きました……!」先輩はアハハハハと笑って「そうやと思った」と言った。僕は「……!」みたいな顔をしながら、平謝りした。
今から三茶に向かうのは体力的にも時間的にも厳しかったため、ランチは断念した。先輩とは4年以上会っていなかったので、今日はめちゃくちゃ楽しみにしていたのに。僕はおすすめのお店いくつか提案するなどもして、ランチ会に対してやる気満々らしきムーブをとっていた。
昨晩、朝7時まで集中的に作業してしまったのが悪かった。睡眠時間が足らなくて、目覚ましをかけても起きられなかったのだ。弁解の余地が無さすぎて笑ってしまう。僕には何が足りていないのだろう。翌朝の約束のために今晩は何時には床に就こうと判断のできる自己マネジメント力? 自分は最低何時間くらいは寝ないと起床には足らないはずだという自己理解? 人との約束を絶対に守ろうという規範意識や誠実さ? 目覚まし時計を止めたあとに睡魔に負けずに身体を起こす精神力? 起きられないような時刻にはそもそも約束を取りつけないくらいの、自覚と責任感?
トホホだぜと思いながら、僕はまた寝た。
そして目覚めたら、またスパッツを穿いた女二人に見下ろされていた。サイクリングから戻ってきたのだ。美味しいオムレツを食べて来たらしい。いいな。LINEを開くと、僕抜きでの食事となった先輩から美味しそうなタコスの写真が送られてきていた。かたやオムレツ、かたやタコス、私はトロヤ、何も食べてない。あ、朝に白味噌のお雑煮を食べたか。忘れてた。朝っていつ? 何時に食べたんだっけ?
姉が「聞いて、正月夢見たの。私は砂浜で地面を掘りまくってたの。で私、金! 掘り当てたの。でそしたらバスに奴隷みたいにぎゅうぎゅうに詰め込まれて運ばれてさ、ジョナサンに連れてってもらえた! 意外と福利厚生しっかりしてるんだなって思った」と言った。もう一人の姉が「仕事として金を掘ってただけで、もらえるわけではなかったってこと?」と訊くと、姉は「いや掘り当てた金は私が貰えるんだけど、それはそれとして福利厚生でジョナサンは食べさせてくれて嬉しかったの」と答えた。
ジョナサンの夢を見た姉は「お年玉あげるよ」と言って千円札を出し、寝そべったままの僕に渡してくれた。僕はありがとうと言い、折りたたんで枕の下にしまった。姉は「夫に昼には帰るって言ってるから、そろそろ出るね」と言って、いなくなった。残ったこの家の持ち主の方の姉は、スパッツを脱いで部屋着に着替えた。
寝そべり続けて何もしていないのは僕だけだった。僕も僕のことをしなければ。時間がかかったが、ウーバーイーツを利用してなんとか腹を満たし、起き上がって、実家に帰ることにした。16時くらいに姉の家を出た。
帰りの電車。YouTubeで無料配信中のAngel Beats!見てた。不思議な設定の話だね。
帰宅して、ようやく投稿することができた。昨年の振り返りnote。足踏みしてないで、粛々とワークをこなす。
noteに掲載するために、ユメギドのタイトルロゴを今から描く。
どうしようかなあ。なにか新たな絵を描くとき、いつも困る。まずどうすればいいのかが、全く分からないのだ。無限じゃんって思う。みんなどうしてるの? 自分に固有の作風みたいなものがあれば、そこから始められるんだけど。いったん現在のゲームのルックから、作風的なものを抽出してみるか。

四角いっすね。あとは、色が、赤とグレースケール。褪せてる。画面がざらざらしている。でも自転車はやけに凝っていたりする。ゲーム空間と置物の解像度が違うみたいな……。

ひらがなやカタカナ、仮名のもととなった漢字(由・女・幾・止)などを重ねてみたり。

矩形の集まりにしてみたり。


『ドグラ・マグラ』の表紙を参考にしてみたり。いつ見てもすごい絵だ。米倉斉加年という俳優が描いたものらしい。「角川文庫」の部分がちょうどいいかもしれない。

フォントはマルモニカ。いいかもなあ。

改造を試みたりしている。わかんねー。なんか、グリッチ感と、和風の感じを出したいんだよね。ドグラマグラは全体にわたって和風なところがカッコイイんだ。

パターンにしたら模様柄っぽい和風の味が出るかな、というのを試してる。少女地獄の表紙を思い出す。

各文字正方形の中に充填した。「メ」が遠目いいな、縫い合わされてるみたいで。ここでタイトルロゴってなんだっけとなる。判読可能性って重要だっけ。イベント出展のときとかに求められるのか。あとSteamのライブラリは、ロゴでタイトルを認識できることを前提としているな。

判読しないといけないときだけ、こういう白字のある差分画像を提出すればいいか。しかしこうするとなんだか”デザイン”っぽい嫌さがある……ユニクロとかがやってそうな……なんだかそもそも、考え方がださいんだよなー(ユニクロじゃなくて俺のです)。でも調整次第で、好きになれそう。帯状にして


ユニクロっぽくなくなった。「ギ」に可能性を感じる。浮世絵の木みたい。おどろおどろしい。逆にユとメが正気すぎるかな。
いや……うーん うーんうーんうーんうーんうーんうーん ゲーム自体は、こんなに細部のある感じじゃない。もっと箱庭的で、古いゲームみたいな。

なんともいえないな。既存のフォントを充填することで、和だけど素朴、みたいなラインを目指せるだろうか。

?

タイトルロゴにタイトル書いちゃった

赤い部屋。ちょっと遠くまで来すぎてしまった。もっとシンプルでよくないか。もっとこう軽く。”メソッド”に頼らないでさ……お絵描きするように……。

まずはユメギドがありまして

詰めて

主人公のせてみて うーん

リンゴのせてみっか? うーんすぎ

フリーハンド 説

ピクセルを フリーハンドで 説

あ~~?

角川文庫ならこっち 奇しくもゼルダっぽくもなっている気が

こうですか!? いや、病院ぽくするなら、背景は白、いやそこは確定しなくていいよね 背景枠の有無や色は、提出するメディアに合わせてその都度変えられるということで グレースケールでの提出を求められたこともあったしね 一文字単位で管理しておけば、字間も調整可ということで…… ということで ということで

これでいくか。
気に入った。
明日からゲームの肉づけをしていく。寝るぞー。起きたらすぐに散歩しよう。ここ数日、起きるのが遅すぎて日光を浴びれていない。その足でカフェかどこかに行って、ノートでアイデア出しをしようかな。そして、帰宅後は基本の部屋のシーンを一旦つくろう。Unityには毎日触れていきたい。