お前の笑顔
棚、タナトス。

部品。棚を作ったそす。

棒の色がきれい。
怒りながら組み立てた。六角レンチが地面に当たって回せないみたいなやつがあるたびに叫びたくなりますね。
棚できた。うれしー。写真はない。
転倒防止の「楔」を買うため、ニトリに行った。楔をカゴに入れたのち、他の商品棚見た。さまざまな生活の提案がなされている。ニトリの生活雑貨を見ていると、ウオーこんな商品があれば確かに面白くなりそうだ、と、そもそも自分の中に発想すらなかった生活が提案されており、ワクワクする。しかし同時に資本主義の嫌なやつも感じる。商品があることによってお前の生活にはこれが足りていないというような気分にしてくる。バーチャルな需要を刷り込まれ、供給の餌食に。それを買うことで生活は自由度を得るのか、それとも自由度を失うことになるのか、注意したい。
温湿度計を買いたい。リビングの温度と湿度をつねに知りたい。私は、そんな需要の虜。この家の空調は、今のところ数パターンしか知らない。ツンと冷えて耐えがたいか、暖房の生温かさと徐々に奪われていく酸素濃度を感じるか、開け放した窓からワイルドな外気と環境音を迎え入れて外と同じになるか、玉ねぎを切ったあとの硫化アリルが立ち込めているか。など。ちょうどよいと感じる空気にまだ出会えていない。どのパターンもずっと続けていると苦しくなるから、これらの持続不可能な空調状態を適宜遷移して、発狂を防いでいる。
室温を定量的に把握したい。知らぬまに唇が乾いて荒れたり爪の根元から血が出たりするので、湿度も気になる。「温湿度計」というのがあるらしいので、それを買って具体的な数値をみながら調整していきたいです。
温湿度計は、あとでネットで注文した。ニトリにあったものは、温度が整数表示で小数第一位が不明だったり、温度・湿度に併せて時刻が表示されていたりと、イマイチなものが多かった。時計はあれば良いというものでもない。部屋のそこらじゅうから現在時刻を知らしめられるのはつらい。あと、温湿度計の多くの製品に見られた表示で厳しいのはあれですね、子供の「顔」みたいなやつ。現在の温度と湿度を加味して、顔が笑ったり、及第点みたいな表情をしたり、苦しそうにしたりすることで、空調がコンフォートゾーンを達成しているのかどうかを端的にグラフィカルに教えてくれる機能なのだと思うが、これは資本主義かもしれません。大事なのは僕が笑顔になるかどうかであって、この小僧にとって部屋がコンフォートか否かは知らないんだよと思う。これは自由度の逆かと思います。しかし多くのメーカーが良かれと思って「顔」を導入。僕ってクッキーを4枚同時に頬張ったりするから。こういう外れ値の人間がいるってことを、覚えておけ。
生活について考えていると、腰が痛くなってきた。一番苦しい。腰痛が一番泣けてくる。パラメーターが多すぎる。筋肉とか関節とか骨とかリンパとか、温度とか湿度とか気圧とか酸素濃度とか、一つでいいから廃止させてくれないか。能動的な環境調整っていうけど、元をただせばすべて、安定的でない世界に強いられてる受動的な防護策でしかないんだ。やってらァーいよ。
話はニトリに戻り、向こうの通路でパリンと聞こえた。子供が商品を落として割ったらしい。土曜日だな。親御が来て、その後店員が来た。ディスプレイ品ですのでこのままで(弁償しなくて)結構ですよーと言っていた。
そう土曜日。休日は、子供はランダムな動きをし、一方大人はマッサージチェアゾーンに集まる。一つのチェアに一人ずつ、すぽっとはまって、全身を揉まれながら眠っている。そのような大人が並んでいる。マトリックスみたいだった。
帰った。腰痛すぎて、数種類のストレッチをして一度休むつもりで横になったら、本格的な眠りに落ちてしまった。あすルンバ届く。埃も廃止してほしい。