ここからの新たな展開を提案してください
14時に目覚めたら、昨晩のひどい鬱状態は幾分かましになっていた。それでもまだざわつきはあって、身体がぎこちなく、空間と他者についても嫌な想像ばかりするようになっていた。何もしていないで立っていると、重心の置きどころや、疑心暗鬼的に構える各筋肉や関節のこと、数秒後に遅い来るかもしれない激痛などについて、考えがぐるぐるしてしまう。そうしているとたちまちまた昨晩の絶望が蘇りそうになるので、ボージャックホースマンを見て、集中を映像に向けるよう努めた。ソファに身を投げてテレビ画面に集中したら、案外乗り越えることができた。

Zampo(ツァンポ)してる。風が強い。風が強い日は嫌いだ。業務的に近辺をぐるっと回り、すぐに帰った。
その後、その後、俺は12時間スマホいじり続けた。ChatGPTの画像生成機能で遊ぶのに、13時間(1時間経った)。はじめは「フィットネスザウルスのモーニングルーティン」の絵を生成してほくそ笑むだけだったのだが、次第に僕の要求はエスカレートし、フィットネスザウルスはよりフィットネスに、よりザウルスになっていった。やがてフィットネスザウルスは自己愛と欠乏のもつれに悶え、孤立と絶望の淵に追いやられていった。僕と一緒に終わっていった。13時間もスマホを触ることはなかなか無い。パートナーとニンテンドーダイレクトを見ているときも常に片手にiPhoneを手放さず、テレビを見ながらちらちらと生成の進捗を確認して、心ここにあらずで、本当に情けなかった。誰がこんな者と一緒に暮らしたいと思うんだ。リズム天国新作やりたいなー。
山中貞雄監督の『河内山宗俊』を見ようとしたが、音質の悪さに耐えられず、ギブアップした。ウー。
16時間。スマホいじり続ける。気がつくと夜で、朝で、昼だった。今日の僕は下から数えたほうが早かった。何もしないほうがましだった。あなたが思っている以上に僕はスマホをいじり続けた。いじるというのも、ChatGPT以外のことはほぼしなかった。プロンプトの調整と、生成待ちを永遠に続けた。
「部屋にこもって働きもしない、人の目もマトモに見れない、そうやって自分のことに背を向けて自分のオチンチンばかりさわってる…」
都留 泰作『ムシユヌン』
俺は16時間オチンチンをいじっていただけだ。
パートナーが、溜まった空きペットボトルをマンションのゴミ捨て場に運ぶのを手伝った。手伝うなんて、当たり前のことだけど。ペットボトルを籠に敷き詰めながら、パートナーは「水いっぱい飲んだねー」と言った。僕は「飲んだだけ」と言った。ビン類を別の籠に入れながら「人の役に立ちたい」と言ったらパートナーに「今まさに役に立ってるじゃん」と言われた。
一日の画像生成量が上限に達した。10時間は生成できなくなった。もうやらないぞ。
眠くもないけど、シャワーを浴びて寝た。