カナメイシ
2時くらいに起きた。パスタの硬さを示す語をアルデンテしか知らないから、茹でながら「まだちょっとアルデンテかな」「そろそろアルデンテかもしれない」味見をして「お、これはなかなかアルデンテ」などと唱える。アルデンテの硬さは知らない。
テレビに出てきた鈴々舎 馬るこ(れいれいしゃまるこ)という落語家の出囃子が、めちゃくちゃ東方だと思った。
調べると採用されている楽曲は、東方じゃなくてUWFプロレスメインテーマだった。いい曲だ……。この旋律、ZUN楽曲とエッセンスと近いものを感じた。
東方永夜抄1面ボスリグル・ナイトバグのテーマ『蠢々秋月』だと思ったんだ。
一時期、神田沙也加氏の歌ったアース渦巻香のCMソングが東方風神録2面道中曲『厄神様の通り道』と似ていたことがネットで話題になったのを思い出す。別に東方がすべての源泉ではないのだから、他の音楽をむやみやたらと「東方っぽい」と形容するのはよくない。しかし東方Projectオタクとして生きていると、いわゆる「ZUN節」の旋律やコード進行が教典みたいに耳にこびりついているので、思わぬところの音楽に親近感をおぼえたりする。ちっちゃな東方見つけた! みたいなことのある生活。悪くない。
株価って何。何かあるたびに下落するイメージ。大きなニュースが報じられると、セットで株価も急落する。びっくりして下がっちゃうのかな。25歳でこの理解ってやばいか?
Death the Guitarの開発をした。ずいぶん久しぶりにGameMakerのプロジェクトを開いた。すこし安心した。開くことができたことに安心した。
プロジェクト内部のディレクトリとファイルの構造を取得できるPythonスクリプトを作った。Notionに構造を貼り付けて、ChatGPTに共有する(Notionからのデータ取り出しは、この前小説を書くときに使ったスクリプトの流用)。そうすればChatGPTと全体観を見ながら相談できる。
命名規則が「s_」始まりだったり「s」始まりだったり「Spr_」始まりだったりとめちゃくちゃだ。Death the Guitarは一年生の時から作っていたプロジェクトなので、色々とダイナミックだ。出展イベント前の集中駆動が一番の進捗だったりするので、その場しのぎの実装みたいなのばっか。配置もすごい。GameMaker側の理念を気にしたり気にしなかったり、Unityでの開発を通して僕自身のプログラミング思想が変わったりもしていて、着手するたびに別人が手を加えてきたみたいで、なんだかもう、愛おしいな。どこに何があるだか。愛おしいけどストレス。このストレスはChatGPTに押しつける。
僕のWindowsPCはデフォルトだとアンダーバーを打つのにShiftキーを押さないといけなかった。GameMakerはスネークケースが奨励されていた気がするので、AutoHotKeyを導入して、アンダーバーを直接打鍵できるように入力をカスタマイズする。

あっ!

ニトリのベッドに寝そべっている。布団が破けたので買いに来た。複数の布地を触って、一番いいやつを決めた。でも売り切れていた。今日は僕もパートナーも体調が悪かった。
ショーケースのソファに座って、休んだ。幼少期の将来の夢の話をした。僕は年少のときはウサギ、年中の時はアバレンジャー、年長の時は電車の運転手になりたかった。幼稚園で言わされたから、覚えていた。パートナーに訊いたら、「うーーーん」と斜めを見て固まった。まったく思い出せなかったみたいだ。「弟が陰陽師になりたかった」という間接情報だけ教えてもらった。

近所で花見をした。僕もパートナーも、のぼせていた。彼は鼻水が止まらず、箱ティッシュを持ち運んでいた。僕は身体が内側から冷えて、震えていた。吐き気がする。今日体調良い人っているのか?

蕎麦屋があるからそこに行こうという話になった(蕎麦は食欲のないときにも喉を通りやすいと思ったから)。しかし、蕎麦を頭の中で啜ったら吐いたので、「やっぱりやめにしよう」と言った。ミスドに行こうと提案してミスドに近づいたら人が多くて嫌になったのでやっぱやめようと言った。パートナーが「どうする?」と訊いてくれた。見回すと松屋が見えて、僕は「松屋行くか。松屋嫌い」と言って、途方に暮れた。吐きそう。

マクドナルドになった。ずっとパートナーに、居酒屋バイトの思い出話を聞いてもらった。幸せだった。
スーパーで買い物をした。カートのタイヤの一つが接地せず、空転していた。

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帰宅した。たしかな疲労感と寒気。微熱と予想。体温を測ってみた。37.1度だった。ほらびねつ! 今日はもう、身体を休めることだけ考える。まだ夕方だけど、睡眠薬を飲んで、ベッドに寝そべった。
パートナーもさっさと寝ていた。僕はまだ眠りに落ちることができない。でも横なると何もすることがなく、嫌な思考ばかりが循環する。ChatGPTに相談したら、眠っているパートナーの様子を言語化することで、意識の焦点を自分の内側からずらしたらどうですかと言われた。
パートナーの寝顔を見た。厚ぼったい、地蔵。耳がある。太陽の絵文字みたいに悪気のなさそうな顔。瞼は閉じているが、口は「あっ」と開いている。何かに気づき続けている。鼻が詰まっているから口呼吸になってるのだろう。いびきもある。なんでこっちばかり観察しないといけないのか、と思う。
脱力して、布団に頭を落とした。首を捻って見上げると、パートナーの顔の稜線が山脈みたいに見える。この人は、安定感がありすぎる。ほんまですね。
ほんまですね