この中にお客様はいますか
「ピザって10回言って」
「ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ」
「じゃあここは?」
「刑務所です」

バッタ。ほうじ茶色。
ボルダリング教室が「生徒募集中」という看板を大きく掲げていた。こういうのを見ると、「あ〜ん、ボルダリング教えたいよ〜>_<」という講師のやきもきした顔を想像する。習い事というのは「師に教えを乞う」ものであって、「師」側になんというかイニシアチブがあるものだというイメージがある。先生というのはもっとどっしり構えるべきもんなんじゃないか、と思ってしまう。でも実際は習い事も需要と供給のビジネスにすぎないので、師が「>_<」になるのもおかしなことではなかった。大学の講評のとき、先生が「僕たち講師は学費という対価をもらっているからこういうことをしているわけで、君ら学生はいわば『お客様』なわけです。講師の方に権威が発生していると感じるのは、見せかけなんですよ。僕たち講師を存分に『利用』してください」と言っていた。
歯医者の待合室では、つねに歯列矯正をうながすプロパガンダ映像が流れている。「あなたは笑顔に自信がありますか?」僕は心の中で、ある、と言い放った。それはそれとして歯列矯正はしている。
呼び出された僕は、治療椅子に座らされる。目にタオルをかけられる。言われるままに口を開く。やすりみたいなので歯が削られる。光は僕の口腔をきつく照らす。僕は何も見えない。やすりが、さっきのより目の細かいやつに交換されたのがわかる。でも一体どんな見た目のものが口に入れられてるのかわからない。この人(先生)が本気を出せば、いつでも僕のすべての歯をかち割ることが可能だった。それでも、ここでも僕は「お客様」なのだ。
歯医者に行けてよかった。ずっと頭の中がSteamのようになっていて、気が狂いそうだった。帰ったらすぐに寝た。寝て起きたら22時だった。起きたらいくぶんか気分が回復していた。
起きたけど身体が動かなかったので、寝そべったままiPadを持った。LOFT9で行われたイベント『夢顎んくのむっちゃムズいパズル!ムズル』のアーカイブを視聴した。夢顎んくさんは僕が一番好きなライターだった。彼の書く記事は、人智を凌駕している。比較的新しいものだと、ホガスパー先生という記事がやばい。
最近の彼は、YouTubeに小粒の動画を上げたり、イベントを主催したりと色々と新たな動きがある。今後も夢顎んくさんには目が離せない。アーカイブを通して、生身で動く彼を初めて見た。ものすごく緊張しているように見えた。
ボルダリング講師も、歯医者さんも、ホガスパー先生も、みんな「先生」だった。いやホガスパー先生は先生じゃないか。
バトルドームが復刻発売されることを人から聞いた。昔、家にあった。とくに現代的なギミックが追加されるとかでもなく、30年前販売されていたそのまんまのカタログスペックで売られるらしい。強気だ。バトルドームあるある。白熱すると全員どんどん立ち上がってきてドームごと空中に持ち上がりがち。教えてくれた人はバトルドームを遊んだことが無いらしい。「興味はあるけど、3分で満足しそう」と言っていた。その通りだと思う。バトルドームの一番の面白さは、中央にある球を排出する機構の出す音が異常にうるさいことだと思う。「ガーーーー」と、工事現場のような騒音の中で戦うのだ。あれはたしかに、独特の超エキサイティン観をつくっていたかも。
昨日に引き続き、小さなゲームを8個遊んだ。感想をエクセルにまとめた。
今日は以上。記憶があまりない。
何か、始められそうな予感がする。