放課後パソコンクラブ

2025 - 05 - 30

ずっとネットサーフィンしてた。ネットサーフィンって死語みたいだが、昨日から今日にわたって僕はパソコンを触り続け、それ以外の時間はひたすらに寝ていたので、実際死んでいたみたいだった。死後硬直の体温低下をパソコンの排気熱でごまかしていただけ。

Internet Archiveで昔のアメリカの雑誌とか読んでた。goo辞書がサービス終了するとか、あと検索してはいけない言葉Wikiやコロモーやら、最近よく終わるので、Internet Archiveの存在を思い出した。

オモコロが折しもインターネットについて語る動画を出していた。僕はFC2ブログとmixiなどやっていた。おもしろフラッシュやまとめサイト、ニコニコ動画などにも同時代的に浸かっていて、とくにニコニコ動画はしっかりとオタクだった。令和に代わる瞬間を、友達5人でレッツゴー陰陽師の動画を流しながら迎えた。しっかりオタク。クラスに『悪ノ娘』読んでる女子いた。

今はnoteが流行って、個人の長文がマネタイズもできる時代だというのに、あろうことか僕は個人サイトに回帰してしまった。テキストサイトの時代は通っていなかったので、今さらHTML+CSSの本を借りて作った(今さらと言っても、HTMLの価値はいまだに衰えない)。noteが嫌いというわけではないけれど、いいねが飛び交うソーシャル空間に自分の精神が保たなくなってきて、閉じこもりの方向に移行した。

直接的な嫌儲思想はないし、金とネットメディアが結びつくようになったからこそ生み出され、そして出会えた素敵なコンテンツもたくさんあるのだけれど(そのことは金とメディアの結びつきを批判しない理由にはならないけれど(ウッウワー!(痙攣)))、やっぱりInternet、熱意が資本だったころよりも人々の視線がねっとりしてきて、ついていけなくなった。気づいたら孤立感をおぼえていた。

そのような、ソフトウェアに資本がやたらと介入してロックインする流れに反発するほうの思想も昔からずっとあるということを、僕は美大に入ってから知った。いわゆるエンジニアのハッカー文化、オープンソース倫理というやつの世界を知った。しかし、こちらはこちらで「カルチャーだ……」と思ってしまい、その厚みに気圧される。昔はAviUtlとGIMPを使って創作をしていたけれど、特に躊躇いなくAdobe製品に切り替えた僕は、そういう倫理の内側を語れる魂の持ち主とはあまり思えなかった(Audacityは今も使ってる)。GitHubにも触れてこなかったのもあるのかな。最近、その聖典らしい『伽藍とバザール』を借りたけれど、逆に苦手意識が強まって、読むのやめちゃった。今度は自分のオタクじゃなさを痛感したのだ。

思えば自分は、mixiにしてもニコニコにしてもTwitterにしても、各プラットフォームのもつ一体感の熱気に勝手に帰属意識をおぼえていただけで、個人としてネットの誰かと親密な関係を築いてはいなかった。いつのまにか空気の澱みはどこからも消え去り、何もない空にただ独りになっていた。

最近の僕は、現代のインターネットについていけなくなった寂しさに加えて、現実のほうでも、就活を諦めたり、集会的なやつがどんどん無理になっていったりと、ちょうど自分が社会不適合因子であることを痛感していた時期だった。だから、オープンソース倫理みたいなわかりやすくラディカルな思想やそこから派生するネットアートなどの美意識に、無責任にあこがれる気持ちがあるのだと思う。エリート社会に反発して、ヒッピーの仲間入りをしたがるみたいな。よりどころを求めていたようだ。

あと美大にてアカデミアや批評の空気に曝露し続けていたのもあり、「権威 vs カウンターカルチャー」みたいなスペクトラム上でものを見すぎるようになっているなとも思う。自分の居どころに不安を覚えるにしても、その不安の語彙がすでにある種のエリートの模倣になっちゃっている。不安で不安をつくりだしているようなもの。

我ながらくだらないぜ。未知の思想を知るのは楽しいけれど、それを無理に内面化しなくていい。自分の存在を既存の派閥で説明しようとしてもしょうがない。しょうがない。勝手に理想化した共同体のなかに受け容れてもらう空想をしても、しょうがないよ。救われようとしてもしょうがないよ。さっぱり行け。東方Projectのゆっくり実況動画を作っていた中学時代、の僕、のような、迷いのない手つきを、今の僕はあらためて思い出していくべきだ。

言うのも恥ずかしいけれど、結局、自己肯定感の話でしかない。本当に、社会規範など意識しなくてよい。コミュニティも意識しなくてよい。やりたい範囲でかかわっていけばよい。どこに振り切れなくたって、自分の存在にだけ自信を持っていけばよい。孤独でよい。僕はパートナーさえいれば、あとは誰に嫌われてもとくに問題ない。言い聞かせるまでもない。

ネットサーフィンをしてたんだ。ネットサーフィンって言いたい。でも、サーフィンと呼べるほど乗りこなした感はない。やるべきことを放ったらかして、目に留まるものいちいちに釘づけになっていただけ。

https://gdr.jagda.or.jp/articles/77/

これ読んだ。リリックビデオ表現の変遷。先日デジタルで打つ文字は身体性と切り離されて勿体ないと考えたけれど、デジタル文字の面白さもそれはそれであるな。フォントの制作が一個の身体性の再解釈だし、リリックビデオでは既存の図形的にとらえ直して解体していたり。フロクロさんのMVでたしか、ビートに部首を対応させるやつあった。

カッコイイ!

Unicodeが全世界の文字を一つの体系にマッピングしようと試みているのも、正規化やアーカイブの面白さがある。すべての字に個別の住所のみを割り当てて、それらの目に見える姿(グリフ)は定義せず、人々に委ねられる。文化的政治的な問題もありそうだけれど、それを可視化する意味でも偉いと思う。

ネットサーファー。

YouTubeを見たこともネットサーフィンと言っていいのかな。ちょこぺろ(好きなスプラトゥーン3配信者)がXP5000達成目前の試合で、ホストの回線落ちによって試合が強制終了させられ、XPが400マイナスされていてショックだった。ちょこぺろは以前のシーズンでもある試合で味方側の利敵行為が挟まって負け、XP5000の夢が潰えている。ちょこぺろはスプラトゥーンの最強プレイヤーとしては一番めか二番めに名前の挙がる配信者で、スプラトゥーン2の時代からたくさんのファンの夢を負っている。彼のスプラトゥーン3におけるXP5000達成という目標は、何かと注目の的になっていた。今回の件はあまりにかわいそうだった。彼の挑戦はもはやユーザーの悪意かシステム的な不運によるトラブルに見舞われないことを毎試合祈るしかないゲームになっているのだけれど、目標が高いだけにコイントスの回数が多いから、心臓に悪い。

他にも閲覧していたものはあるけれど、書きたいのはこのくらい。

今日は一日中パソコン部員だった。姉は姉の家に行ってテプラをプレゼントしたらしい。

雨音。寒い。あすは最高気温が18度と「3月並みの寒さ」に冷え込むらしい。3月を寒さで買ってないからピンとこない。体調が悪かったことにして寝よう。こんなに寝たのにまだ眠れるのが怖い。