決定論者の誤謬

2025 - 06 - 01

19時に起きた。嫌な夢を見た。

起きてからも咳が止まらず、脳みそがミチミチに詰まってしまったような圧迫感があった。ソファでじっと『はじめてのウィトゲンシュタイン』を読んでいた。

aikoの『skirt』良い。

「卒制に集中するために」と言って、未来に控えていた出かけの予定を三つ、キャンセルさせてもらった。今年度はシンプルな生活を送ろうと決心していたはずなのに、気がつくと人を誘ったり、人からの誘いに二つ返事で約束を取りつけたりしていて、シンプルとは真逆の生活を作ってしまっていた。

何か非日常なイベントごとに一日を使うと、その反動で翌日以降長時間何もできなくなったり、リズムや体調が崩れたりする。むやみに予定を増やせば未来の自分がそのように苦しむことになるのは、考えればわかるはずなのに、現在の自分はいつもその想像が及ばず、軽はずみに予定を作っちゃう。僕は毎日考えていることとテンションが違うから困る。

シンプルさを思い出す。

歯に取りつけていた固定具が割れていた。あるとき手に持ったらすでに割れていたので、いつ、何のはずみで割れてしまったのか、わからない。歯医者さんに報告して取り換えてもらうべきなんだろうけれど、たしか新しいものを作り直すのには1万円かかりますって言われていた気がする。1万円。高い。知らぬまにあっさり割れていたという出来事のラフさと、その過料のシリアスさが噛み合ってない。直観に反している。

自動車教習所の卒業技能試験で落ちたときも同じ感覚をおぼえた。教習所の試験なんて受かるまで受け続ければいいやとのんびり構えていたのだけれど、いざ本当に落ちると補修+再試験に合計で1万6千円の支払いを求められ、真顔になった。そもそも、自分が試験に落ちるともあまり思っていなかった。ただただ意外で、ぽか~んとしていたら笑えない額のお金が吹き飛んでいた。

歯の固定具の破損についても、ぽか~んといった心境。あまり納得がいかない。乱暴に使っているつもりはなかった。反省の仕方がわからない。

なんにしても今日中に歯医者に電話をかけて、相談しよう。面倒くさがって放置しないほうが良い。前の大学なんて、ぽか~んとしていたらいつのまに中途退学していたし。大学と歯は、放置していると大変なことになる、筆頭。

固定具の割れと関係あるのかわからないけれど、以前治療したはずの上の歯茎の部分がまた痛むようにもなってきた。それも併せて相談してみよう。再手術ですと言われたらどうしよう。かつての地獄の切開手術をもう一度やることになったり、す、するのか。それはちょっと、考えたくない。

以前治療した上の歯茎というのは、根尖性歯周炎というやつで、内部に膿みができていたらしい。自然治癒しないため、放置していると前歯が抜ける。医者にかかって手術してもらわないと治らない。治療難度が高く、もし今後、手術しても治らないようだったら、抜歯しか手立てがなくなる。前歯を抜くなんてことになったら、相当うれしくない。

ただでさえ生きるのつまんない寄りで、腰も痛いのに、この期に及んでなぜ僕が、歯の行く末にも気(と財布)を揉まないといけない。そんなふうなことを思ってしまう自分がいる。

でもまあ、「なぜ」とかないか。

そうなだけ

寝るとかないか