レバーひとりでに

2025 - 09 - 08

眠れなかったので、徹夜で大学へ行くことになった。くっそ〜〜あ〜〜さから気分がだる重。

今日は卒業制作の前期審査会だった。学生は卒業制作の中間物を各自展示しているので、教授陣がそれらの作品を回って見て、「ここ良いね」とか「ここ良くないね」とか「こここうしたのはなんで?」とか、それぞれ講評をしていく。

三年次はラボごとでの講評だったけれど、今年は学科全体で行われたので人数が多かった。

開幕から眠気に襲われてしまって、自分の講評順まで時間があったので図書館に行った。

浮遊する巨大な絨毯みたいなところで寝た。自分の講評が来そうな時刻に目覚ましをかけておいた。

起きた。学科棟に戻った。講評は進んでいた。友達の🐞さんが大切な指輪を紛失して焦っていた。あとで探すのを手伝うことにした。

自分の番が来た。Death the Guitarの講評。滞りなく? 終わった。教授に「(ゲーム音を)普通のスピーカーから流すんじゃなくてさ。マーシャルを置いて、そこから流しなよ」と言われて確かにと思った。逆にどうして今まで展示イベントでアンプを置くという発想が浮かばなかったんだろう。あとは、現状ギター効果音とチップチューンBGMが端的に分離しているけれど、もっとプレイングとギターサウンドを紐づける体験を目指したサウンドデザインにしたらどうか、と言われた。あああと『ELECTRIC DRAGON 80000V(はちまんボルト)』というエレキギターで闘うB級映画を教えてもらった。見よう。

自分の講評後も審査は続いた。僕は他の人の作品や講評の様子を見たりしつつ、遠巻きに休みながら同級生と喋ったりしてた。自然が好きな🌲と、発電や環境や世代間倫理の問題についてとか、精神病についてとか友達関係についてとか、話した。🌲は「俺はよっ友しか要らない」と言っててかっこよかった。

同級生たちがDeath the Guitarを置いた卓に集まって遊んでくれている様子が見えて、嬉しかった。自分が設えたものが遊び場になっているのって気分いいな。

そこにいた同じラボの人が、デンパトウを買ってプレイしましたと教えてくれた! そんなことなかなかないぜ。彼女は「私はインディーゲームで、作者がやりたいことやってるような作品を遊びたい」と言っていた。シミュレーションゲームが好きらしい。デンパトウの感想も伝えてくれてうれしかった。

この作品めちゃ良かった。手前の入力レバーを動かすとモニタに映っている一人称ゲームの視点(プレイヤー)が動く。それに対し、奥のレバーは入力装置ではなく、勝手にウィンウィン動いている。このレバーは、ゲーム内でプレイヤーが紐で繋いでいる画面上のもの(歩く犬や、人や、押し車など)の動き(プログラムで制御されている動き)を受け取って、それを反映して動いているのだ。ゲームが入力となってレバーに出力を与えるという反転……! ウィンウィン動くレバーの様子から、ゲーム内の犬の生命感みたいなのも感じられた。自分が操作するレバーと自動的に動く奥のレバーとの、ある種全然影響し合わないみたいな関係性も涼しげでいいなと思った。

架空の宇宙探査記録と、そこで採集された物質の展示。このUIバイオショックみたい。

横断歩道をコンセプトにしたインスタレーション。これも良かった。白線部分が浮き上がっている。それだけで渡ることの儀式性に気づかされて緊張感があった。

白線の途中で、「赤渡り」に関する質問を投げかけられる。倫理的な問いかけをされているというよりかは、この作品の背後に信号が赤のときに渡ったことで命を落とした誰かがいて、その追憶を辿ってるみたいな気配を味わう作品という感じがした。

これは寝てて説明を聞きそびれたから全然どんな作品かわからないけど、なんかすごって思って撮った。

この油絵もすごい。すごいなぁ。

僕もインタビュイーとして協力した🐞さんの「フライドチキンと私/あなたはどちらが価値がある?」というプロジェクトのインタビュー記録も展示されていた。それを読んでめちゃくちゃ感動した。🐞さんがおこなった僕や他のインタビュイーとのやり取りが、対話内容は質感を保ったまま省かず分量を伴って書かれていたことと、それに対話中に🐞さんの心のなかに生じた思考や揺らぎも一緒にまとめられていたのがすごく良かった。僕はびっくりした。僕と話していたときに、🐞さんはこんなことを考えていたんだなと。全然想像していなかったから。人は同じ言語で会話を交わすけれども、互いの頭のなかではまったく異なる基盤に基づいて思考がおこなわれている。インタビュー記録を時系列的に読み進めていくと、色んな人との対話を重ねていくにつれて、🐞さんがどんどん新たな語彙を得て、世界を見晴らしていけるようになっていっているように感じた。僕自身も見晴らしが良くなった。

審査会一日目が終わった。明日もある。ヴォヮー疲れた。今日寝てないので。寝てないので! 熱いしさあ! あまり何も考えられてない。他の人の作品色々見れて面白かった。

帰る前に🐞さんの指輪を一緒に探したけれど、見つからなかった。明日あらためて捜索することにした。明日になれば展示された作品も撤去されていくので、今日より見つかりやすくなると思う。

帰った。あるわけないけど、駅まで歩く道中もなんとなく地面を見ていた。

そしたら、指輪に関係ないちぎれた輪っかが地面に落ちているのを見つけた。これも誰かの探し物なのかもしれないと思って、わかりやすいところに置いた。

この曲良!

帰った。ご飯を食べたあと、SEKIROした。ラスボス(と僕が思っている敵)、倒せません! だんだんと目の焦点が合わなくなってきたので、今日のところは覚えておけよと思いながらPS5をスリープさせて、歯を磨いて、寝た。

一瞬で眠りに落ちた。