やがて歴史に名を残す赤ちゃん

2025 - 09 - 27

12時に起きた。

散歩した。隣のベンチにいた子供と親が「ラムネは飴ですか?」「ラムネも小さくて丸いです」「甘いです」というやりとりをしていた。

休日の公園は子供がたくさんいて……子供がたくさんいるねぇ! 親って我が子が公園で自動的に動いているようすを見て、面白くてたまらないんだろうな。蚊に刺された膝をしゃがんで掻いているさまとかさ。たまに他の子供と関わっていたりすると「ネットワーク……」と滲み入るのかな。

姉が最近甥の記念写真? を撮っていてそれを見た。一歳ってこんな大きいんだ! 髪もボーボーに生え揃っていて、見違えた。写真では甥っ子は可愛いおべべを着せてもろて、周りには大文字のアルファベットが刻まれた木のブロック、お花、小ぶりの木琴といったプリミティブなアイテムが添えられていた。

一歳って赤ちゃんって言う? もう言わないのかな。二歳になったら青二才かな。新生児は赤ちゃんと呼ぶ一方で「青臭い」など青も未熟さの表現に使われる。調べたら幼い子を表す言葉として「黄口児(こうこうじ)」というのもあった。「嘴が黄色い」は聞いたことがあるな。

公園の帰り道にゆっくり歩くおじいさんがいた。彼も昔は赤ちゃんだった。2007年に町田のファミマ近くで暴力団員が組員を射殺した事件があったけれど、彼もかつては赤ちゃんだった。やがて拳銃で人を撃つことになる赤ちゃん。村上龍『コインロッカーベイビーズ』は、その凄みを示しているな。どんな殺人者もまず赤ちゃんから開始する。

あそれで思い出したけれど、子供の頃、我が家には人生ゲームがあって、よく姉や父とかとやっていた。人生ゲームは序盤の就職マスでそれぞれ職種が決まって、各プレイヤーの月収に差がついた状態で始まる(すごいシステムだ)。プレイヤーは、自分が就いた職業の絵が描かれた「職業カード」を手元に置いておく。

そういうカードがあったのだが、人生ゲームのキットのなかに一枚、何も書かれていない予備の職業カードがあった。うちではその予備カードを使って「犯罪者」というオリジナルの職業を作っていた。僕が白紙のカードに包丁を持った人の絵を描いたのをめっちゃ覚えてる。ルールも僕が決めた。たしか犯罪者は給料日マスを通るたびにルーレットを回して、10が出たときだけ大金が入る(他の数字のときは何も得られない)ということにしていた。ゲームシステムとしては手堅いな。

ネガティブな感情に駆られたとき、自分からその場を離れる判断ができる瀬川おんぷは偉いと思う。少し時間をおけばお互いに冷静になれる。

『ダンス・ダンス・ダンス』で主人公が体も精神も眠りを求めていて何も考えられないのに脳の一部機能が固くこわばって全然眠れないというところの描写に共感した。「特急列車の窓から駅名表示を読み取ろうとするときの苛立たしさ」と書いてあった。

今日何もしてない。ヨーグルト食べただけ。作業をする気満々だったけど、それは何ら実効性を持たないたぐいの満々だった。何ら実効性を持たない赤ちゃん。

あ、なんかここ数週間分の日記を英語に自動翻訳して、それを読むということを3時間くらいしてた。最近やたら英文を読みたい気持ちがある。普段はアメリカ産のノベルゲームをやることでそれを満たしていたんだが、今日はPCを開く元気がなかった。だから代わりにスマホで何か読もうと思い、ついに自分で書いた日本語を英語にするという暴挙に出た。自分のフンを食べる生き物みたいだ。

エルデンリングに「糞喰い」というキャラクターがいた気がする。彼も赤ちゃんだった。のかな(未プレイ)。

やがてやみつきミートのJonathan’sスープパスタ喰いになる赤ちゃん。俺ジョナサン行きすぎだろ! 生活パターンを固定するとイノセンスのバトーみたいに攻撃される。草彅素子もちゃんと赤ちゃんだった。

普段は「少佐」呼びのバトーが急に「素子ー!」って叫んだのと、『聲の形』で普段は西宮呼びだった将也が急に「硝子ー!」って叫んだのが個人的によくわからなかった。愛の表現だとは思うけれど、緊急時に咄嗟に名前呼びになるだなんて、常日頃から心の中でそう呼んでいたのでもなければ、そうそうないのではと思う。僕が思うよりも共感できる人は多いのかな。みなさん、好きな人のことを心の中でだけ名前呼びしたりしていましたか?

子役って人間のふりを生業にしていてすごい。そもそも子供というのが人間のふりをする練習のプロセスなのに、そこに役者という職業カードを伴って、二重に人間のふりをしている。想像がつかないな。

「素子(そし)ー!」って叫んでたら面白い。

3時くらいに寝た。