夕日に向かって走れ

2024 - 08 - 03

起きたけど横になっている。父が玄関で出かけようとしている。祖母が来て父に「あんた、日傘持っていきなさいよ」と言ったのが扉越しに聞こえた。父は「これも日傘やで」と言った。そして出ていった。見てはいないけど会話内容的に、父は見た目は雨傘っぽいが晴雨兼用の折りたたみ傘を持っていったのだろう。僕は6月の父の日に父に折りたたみの日傘をプレゼントした。父が持っていったのは、僕があげたのとは別の傘みたいだ。

メロンパンをオーブントースターにかけた。メロンパンは気を抜くと一瞬で黒焦げになる。だから、じっと監視していなければならない。中腰になって、見てた。こういう時間が好きだ。伸縮する時間のなかで赤く光るメロンパンを見つめている。時間と僕は緊張した糸で結ばれている。メロンパンから目を逸らしてはならない。逸らしたらメロンパンは絶対に黒焦げになる。僕は絶対に来るその一瞬間をすくい取ろうと待っている。

オリンピックの女子バドミントンの試合を観ていた。お風呂が空を飛ぶCMが流れて、良いと思った。鯨が空を飛ぶのはありきたりだ。これからはお風呂が空を飛ぶ時代だ。空に虹もかかっていた。

昨日散歩したけど全然快眠じゃなかったから、散歩に対して懐疑的になった。なので外に出るのが億劫で、気がついたら日が暮れそうになっていた。僕は今日はランニングすることにした。走ることの利点は、歩きより速いことだ。日没に間に合わせたかった。

ランニングした。走ることの欠点は、考える余裕がなくなることだ。歩く時は牛乳パックが草むらに突き刺さってるところとかを見て「ほほう」と思えるが、走っているときは脳のリソースが筋肉や肺を稼働させることに割かれるので、そういうことを思う余裕がない。そもそも視界が狭まっている。走ってると空の青さもわからない。でもその分筋肉や肺が動いていることを感じられるのが楽しかった。

ウェブサイトが一応完成したので公開した。インターネットに自分の家ができた感じだ。うれしー。この箱庭にはTwitterみたいな双方向性はない。ここ2か月、何かしらのメーターがキャパを超えて自分の身体と精神がゾウリムシになってしまったので、閉じこもって静養する場所が欲しかった。サーバーとドメインを取得して、CSSやPHPをいじってフォーマットを作るといった過程で、手を動かすリハビリにもなった。ゆっくりゲーム作りを再開していきたい。

スコセッシ監督の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』観た。電話機を奪おうとするディカプリオが電話線でぐるぐる巻きになってるところが良かった。信じられないくらいファックって言ってた。Wikipediaの「ファックと言う言葉が多く使われた映画一覧」によると堂々の一位で、569回言われていた。fpm(一分あたりに言われた回数)では四位だった。グッドフェローズとディパーテッドもランクインしてたし、スコセッシ作品はファックが多い傾向にあるらしい。治安悪いもんな……。ファックと言うとか中指立てるというのはアメリカでは絶対にタブーでやってはいけないことなんだよって学校で教えられたけど、実際のところどうなんだろう。アメリカ映画の人物たちは息を吐くようにファックと言っているから、わからない。

今日はまだ1時間残っているので何かしようと思っています。ステキな1時間を過ごしてみせる。