僕が教えてあげよう
朝9時に起きた。アサクジ。
大学の友達からチャットにて執拗に責められている。ストレス。僕の方だけが丹念に真摯であるように書き、向こうは筋の通らない責め文句と揚げ足取りで間を伸ばし続ける。こいつは、怒れる隙間があるから怒っているだけのように見える。強い口調で不当らしさを叩きたいという欲を満たすために僕をターゲットに刺し続けていて、その裏には大義がないように見える。テキストの罵倒を浴び続けるのが流石にしんどく、到底まともなやりとりができているとは思えなかった。僕は彼に「通話でいい?」と持ちかけた。すると、途端に返事がなくなった。
この人は、もう友達ではないと思うことにした。こんなに尊敬できない者。
来年度も一年間同じクラスなので、困っちゃう。僕は今年度までとは異なるテーブルについて、彼とは物理的に距離を置くことにした。彼と付き合うことによる疲れは、生活のノイズになりかねない。僕には今、彼の荒ぶる言動をいなすだけの精神容量がない。ないや! ケヘ!
席を変えたら、他の友達とも離れてしまうことになる。そのことが悩ましかったのだけど、そこを天秤にかけてもなお彼奴とは距離を置きたいと思う。4年次の卒業制作にあたって、日々を同じリズムで動き続けるために独り行動を選ぶのも、悪くない気がする。ランダムで怒り出す人と同じテーブルで肩を並べ続ける方が負け筋だ。どこか空いている席を見つけて、座らせてもらうことにしよ……。
心の慌ただしさと苛立たしさに、うまく自分を保てなくなってきた。僕はパートナーに泣き言を言った。深呼吸をし、散歩した。

散歩 WIN

神社のこのような造形に、胸騒ぎのする日には本当に助けられる。曲線を目で丹念に追っていると、頭の中の喋り声がやさしくなる。左が一部分欠けてるな。祠の前でしばらくぼーっとしてしまった。
冬晴れ、最高。家のすぐ近くに小さなコワーキングスペースがあることを知った。今度行こう。

木の根元。しゃがみ。

土でござい。僕が動くと影も動く。車の音が遠くでする。葉を触ったりして、確かめた。
だいぶ回復した。街を歩くだけで満たされる。

柿を切ったらグジュグジュに熟れたやつで、無数の果実部分が液状化してまな板にこびりついた。どうしたらいいか迷った。僕は包丁でそれらを掬って、秋の味覚を舐めとった。包丁を舐めるなんて絵に描いたようなサイコパス行為、恥ずかしくないのか。でも本当にこうするしかなかったんだ。手がべとべとだったし、柿があまりに冷たすぎたせいで凍りついて動けなかったのだ。
4年ほど連絡がつかなかった高校時代の友達のムが話しかけてくれた。先日僕が姉と録ったスプラトゥーン3の実況動画をグループLINEに貼ったら、ムが「スプラやりたくなったな」と発言したのだ。僕たちは14時にDiscordに集まって、通話をつなげながら仲の良い面子4人でナワバリバトルをした。フェス期間だったのでちょうど良かった。
楽しかった。ムは長いこと連絡がつかなかったわりにケロッとしていて、少なくとも遊んでいる間は昔とまったく変わらなかった。サーモンランをしながら近況を訊いたら、内定が決まって来年度から勤務することになったらしい。連絡のつかなかった時期は、留年したり就職浪人でニートをしていたらしい。
スプラトゥーンを人とやるの、面白っ。やめられない。やめさせてくれ。僕はスプラトゥーンをやめたいと思うくらいにはスプラトゥーンが好きだ。本当に困ってしまいます。しばらくやっていなかったのだけど、なんか上手くなってた。ゲームって、やってない間に上手くなる。
そのあと、腹を壊して下痢をした。
このようにして休日を過ごした。明日も休日なわけだけど、余裕があれば作業をしたい。今日が久々に友達と遊べてあまりに嬉しかったので、休みを謳歌することに飽きてきた。ただ、うつ病者が回復期に差し掛かり「何かできる」ような気がし始め、今までに失った仕事分を取り戻そうと躍起になり、それゆえまだ身体は追いついていないのに休息をおろそかにして、再び体調を崩す……というのはうつ病の回復が遅れる典型事例だ。
あまり自分に厳しすぎない態度でいたい。「何もしない」ことは、体調管理の方法としてひじょうに有用で、責任のある判断だということは忘れないようにしたい。

まほプリ2のSNS、ちいかわ世界っぽい。
完