まぶた
訳を知った訳知り子
人に恩をうったことがない ありさ
ゆーこはみんな愛してる Loevだvenue
愛菜はガチで返信速い[ニューホライズン]
アイプチは教科書
ウチら最高のメンツぢゃ
ないある???????
ネムはうるさすぎて本間 萌ゆる爆
みんな好きよ
内輪ノリうざくWWWWW超えてけ
オレンジ色のチョークで描かれている。クラスの女子グループの落書き。教室の入り口の上の黒板、手の届かない位置にあって消すことができなかった。
という夢を見た。なんで夢でギャルのメンバー紹介を見なきゃいけないんだ。
今日も無人の家に一人。俺がいるから無人ではないか。一人暮らしの擬似体験。食べるものを調達しないと。スーパーに行った。買い物袋を持って行ったのに、レジ袋もらってきちゃった。

パンを

あんこの缶詰につけながら食べた。
一人暮らしは、自分のために食べ物を選ぶことができる。自分のために買い物をすることは、生の実感につながる。一人暮らしをしていると、細かい家事もすべて自分のために行うことだから、自分のことを大事にしようという気持ちが芽生える。
パソコンをテレビに繋いで、大画面でノベルゲームをやった。テキストを自動送りにして、進んでいくストーリーを眺めた。ワイヤレスマウス一つで操作が完結するので、寝転んだり突っ立ったりしながら観ることができる。観ながら、パンをあんこにつけて齧った。一緒に買ってきた野菜ジュースを飲んで、許された気持ちになる。
ノベルゲーム特有の、衒学的な語彙を多用した勿体ぶった文章表現が沁みる。テキストを数行のウィンドウに閉じ込めて、それを次に送るというプレイヤーの動作が前提にあるから、高速で手繰っても理解できるくらい希釈した文でも問題ない(むしろその方がいい?)のだ。「だから、俺は———」「俺は———」「いやだよ。できない。」「そんなの、天地がひっくり返ったって無理だ。」くらいの持って回った感があっても、気にならないなあ。
その時間だけ過ごしていたら、日が沈んだ。晩御飯は、お惣菜コーナーで買った「茄子の揚げ浸し」と「卯の花」と「ヒレカツ」を食べた。夜になると、自然に眠くなった。
リビングの光が寝室に少しだけ漏れるように襖を動かして、ほんのり明るいベッドを作った。その上に寝そべった。iPadにペンでお話を書いた。
0時を回り、そのまま寝た。
純度の高い一日だった。
もうすぐ夏休みが終わって、後期の授業が始まる。夏休みは全期間、ほぼ療養に使った(ということにした)けれど、今が一番心が安らいでいる。誰もいない家に一人というのが、一番求める環境だったのかも。早く一人暮らししたいもんだな。今すぐに作れないかな。すごい安い家賃の家を探すとか。
あ、昼に大学の先輩から電話がかかってきた。これから歯医者に行くところらしい。その前にすこし僕と、あるトピックについて話したいらしかった。僕たちはそのトピックについて話した。世間話や愚痴も交えながら話した。今日の中で唯一、社会との接続を感じた出来事だった。