髪を切られた

2025 - 08 - 18

10時くらいに起きて、速やかに作業場に移動することができた。今日はたくさん作業できそうでナイス♪ と音符マークでもつけたろかいなって気分だった。しかし、作業机についてから、今日は16時から歯医者の予約が入っていたことに気づいた。ヒヒーン。

歯医者まで4時間ほど作業した。気が散りがちで、数分おきに窓の外の交差点を見てしまった。交差点、行き来が絶えず、いつ見ても人や車が通っている。信じられない。ここを渡ってる者たちは、それぞれどっかの家から出てきてどっかへ向かっているだけで、彼らにとってこの交差点は何のゆかりもない通過点に過ぎない。それなのに、この交差点は常に、必ず、誰かしら人を渡らせている。このスーツの男性も、あの女児も、そこの建物の写真撮っている作業員も、みんなばらばらな時間に、ここを渡っているんだなぁ。

↑こんなことはどうでもよくて、最近は自動車に人が一人しか乗っていないことが面白い。バスが通る後ろを運転者一人しか乗ってない自動車が続く様子を見たりすると、バスに比べて車は一人の人間がスペースを取りすぎているように感じて、お前、と思う。

車を運転したいなー。ハンドルを右に回したら右に曲がることの、面白さよ。最後に運転したのは友達と仙台に行ったときだから、もう一年前くらいのことになる。

髪を切った。丸刈りにしてから随分放ったらかしにしていた。どれだけ伸びようと丸刈り以前の髪型に比べたら短いので、次はいつ切ればいいのかよくわからなかった。今日をそのタイミングということにした。

運転したいのは車だったけれど、歯医者に行くのには自転車を使った。今日の診察は、特になんでもない回だった。明日もまた歯医者に来ることになっている。二日連続で歯医者に行くことってないよね。泊まっていきたいくらいだ。当直。明日は例の、歯茎の手術がある。手術!? 無理無理無理無理無理無理!!!!!!

帰宅した。弾幕。東方錦上京のNORMALをクリアして、EXTRAをやっているところ。ボスのモチーフ面白い。

東方を満足いくまでやったあと、SEKIROをやった。「うわばみの重蔵」という下品な男を倒すのに苦戦して、暴れた。重蔵のようなボス単体だけでなく、そこまでの道中にいる雑魚敵も含めて一度に片づけないといけないのが、つらいな。みんなこれつらくないのか? すごいね。

重蔵をなんとか突破したあと、大ボスらしき老婆と戦って敗けた。でもこっちはボス戦の直前に鬼仏があるから、死んだらすぐに再挑戦することができた。Cuphead的なトライアンドエラーの素早いサイクルでやれて助かる。こういうのは楽しいな……。もしかしてうわばみの重蔵ってボスじゃなかった? 彼雑魚敵ですか?

パートナーが「ああっ」と言ってサラダを床にこぼした。落ち込んでいた(パートナーが)。

また英文法の勉強をした。第5章「態」。第4文型(SVOO)はどちらの目的語も主語にとって受動態に変えられる。”He gave me this ring.(彼は私にこの指輪をくれた。)”の場合、間接目的語の me を主語にとって”I was given this ring.”にもできるし、直接目的語の this ring を主語にとって”This ring was given to me.”にもできる。どちらが適切かは、文脈にしたがう。後者の文は 〈give me〉の結びつきが強いので、toを省略して”This ring was given me.”にしても違和感がないらしいです。なんで僕、英文法の勉強している。

態といえば、今読んでいる國分功一郎『中動態の世界』によると、古典ギリシア語やサンスクリット語には受動態なんてものはなかった。能動態の反対は「中動態」だったらしい。ラテン語にも、中動態に相当する動詞グループがあるんだとか。

さっき「髪を切った」と書いたけれど、髪を切ったのは床屋さんで、僕ではないな。正確には(?)僕は「髪を切られた」のでは。中動態の議論に関係あるのかわからないけれど、今思ったので書いた。

英語にも、能動態の形式で受動の意味を表す動詞がある。”Ice cream sells well in the summer .(アイスは夏によく売れる。)”の sell とか。英語話者が 〈sells well〉と言うときには、日本語話者が「昨日、髪を切った」と言うときに感じている能動感と似たようなニュアンスを覚えているのかもしれない。

日本語では能動態で表すことしかない「生まれる」「死ぬ」は、英語では〈be born〉〈be killed〉と受動態で表すことも多い、という違いも気になる。die は、(フロムソフトウェアのYOU DIEDもそうだが)客観的で説明的なニュアンスが強いらしい。日本語では「戦争に殺された」とは言わないけれど、英語では〈be killed in the war〉と言う。この差異は「髪を切った」と同じ仕組みに由来してるように見える。(追記:「生まれる」って受動態か。でも「母親に生まれる」とは言わない)

など。この本(中動態の世界)まだ序盤だから、よくわからないですが。実践ロイヤル英文法もまだ序盤だし、SEKIROも序盤だし、何もかも序盤で嫌になってしまう。そう、何もかも。

本当に嫌になってしまうのは明日の手術だよ! 明日、手術をされる。歯茎が、メスで切られる。

僕が、寝られる。