時の洗礼

2025 - 10 - 17

足の指について、「人差し指は感覚的に中指のように感じて、中指は感覚的に薬指のように感じる」というのはよく言われるけれど、親指の時点でもうすでに人差し指になってるんじゃないかという気がする。足でピアノを弾く想像をしたとき、親指はレを弾いていた。

↑の気づきをパートナーにしたら、「(人差し指が中指に感じるって)何のこと?」と言われた。知らないのか。やれやれ、話になりません。僕はパートナーに椅子に座ってもらい、「目を瞑って、自分の足の中指をつまんでごらん」と言った。彼はエー? と言いながらかがんで、手を足の方に伸ばした。そして自分の足の、中指ではなく人差し指をつまんだ。パートナーは目を開けてそのことに気づき「ほんとうだー!」と驚き喜んだ。レベル低。

3時に起きた。なんだこの時間。

非線形の一階常微分方程式。リッカチ型(yの二次の項をひとつ含む非斉次式)なら、特殊解を見つけることで発見的解法みたいに操作して、ベルヌーイ型(yのn次の項をひとつ含む斉次式)に帰着できる。ベルヌーイ型は、u=y^(1-n)とおいて置換するとなんかいい感じにn次の項が打ち消されて線形の微分方程式に帰着できる。帰着に次ぐ帰着。学生さん、いつでも帰着をできるようになりなよ。

洗い物したらパートナーのお茶碗を割ってしまった。アアアアア! 113日前にも割った。自分を割りたい。

昨日まったく眠れなくて睡眠サイクルが壊れたせいか、3時に目覚めてから10時の今に至るまで、ずっと寝る前みたいな朦朧状態が続いている。でもいざ横になって目を瞑ると、ギンギラギン。眠りに落ちるまで今のこのぼやぼやしたコンディションのまま回復することはないのだったら、このまま作業に入らなきゃいけないのか。辛いなあ。何もしたくない、ただただ寝させてほしい。だが眠れない。

ひとまず、新しい茶碗を買うために外に出た。何かをする口実。晴れているし。散歩をして悪いことはない。気持ちよかった。

汚(お)

売り物のソファに座って休む。クラシック音楽が流れている。聴く。

ブランコに乗って休む。平日のお昼にブランコに乗って休んでる人がいるってことだけでも、今日みなさんに覚えて帰ってもらえたらと思います。目を瞑って漕いだら運動の軸がどの位置にあるのかわからなくなって、酔った。

ブランコ降りた。

20歳くらいのときに、馴染みの友達6人で集まって、夜桜を見ながら酒を飲んでいたことがあった。その時僕はそれなりに酔っ払っていた。酔いのテンションに任せて僕は、その場にいた5人について「あなたはこういうところが良い」とひとりずつ順番に褒めていくというジジイみたいなことをやり始めた。自分が彼らに対していかに強い愛着を持っていたのか、伝えようとしたのだろうか……。僕って酔うと平気で夢とか語りだすから危ない。

しかし僕はそこで、やらかしてしまった。1人目から4人目まで順番にそれぞれの良いところをテンポよく言葉にしていって、最後の1人になったのだけれど、僕はその最後の1人の良いところがまったく思い浮かばなかったのだ。「〇〇の良いところは、えーっと……えー……」と何も言えなくなっちゃった。何か捻り出そうとまごまごしているうちに、その5人目の彼女は泣き出してしまった。彼女は僕に対し「昔からトロヤくんにはずっと見下されてるって感じてた」みたいなことを言った。僕は謝ったり、別の友達もフォローしようとしてくれたけど、彼女はその時精神的に弱っていた時期だったのもあって、感情をよりいっそう爆発させていった。

この出来事のあと連絡を断たれて、1,2年くらい彼女とは関わりがなかった。でもその後、自然にまた連絡したり会うようになった。彼女はすっかり回復していた。そもそも彼女にとって、さほど大きな出来事でもなかったようだった。むしろ僕のほうが、そのとき彼女を傷つけてしまったことについてうじうじ悩み続けていて、変な長文LINEを送ったりして恥ずかしいディスコミュニケーションを作っていた。その時期は僕の方がメンヘラの度合いが強かった。

なんで急にこのこと思い出したかというと、散歩の帰り道に「見下す」について考えていたから。僕は昔から、人から見下されることを強く恐れていた。小学校でも中学校でも。高校時代は一時的にその程度が弱かったけれど、大学進学後はまた恐れた。見下されること。恐れていたからこそ、人を見下すことがとても悪いことのような気もしていた。「トロヤくんには見下されてると感じてた」と言われたことは印象的だった。彼女と友達になってから、夜桜の下で良いところを言えなかったあの時に至るまで、僕は彼女のことを見下していたのかどうかといえば、まあある種実際に見下していた部分があったのだと思う。「トロヤくんには見下されてると感じてた」と言われたときにそのことに気づかされて、自分はとても悪いことをしていたのではないかと思い、ショックを受けた。

今振り返ると、我ながらずいぶん小さなことで悩んでいたなと思う。人はそれぞれの物差しで人の崇高さを見ている。他人を尊敬するのと同じくらい、他人を見下すなんて自然に起こることであって、見下すという精神の動きそのものを悪いことと断じるのは無理がある。自分が人を見下していたことにショックなんて受けなくてよかった。そして、人から見下されることを恐れる必要もなかった。見下されたことに傷つけられたと感じるとき、その人は暗に相手の価値基準を自らの内面に刷り込んでしまっているのだ。

再び話すようになった彼女とのその後のLINEで、彼女から「トロヤくんにどう思われようと、どうでもいいって思うようになった」と言われた。本当にそのとおりだ。誰も僕から見下されたところでダメージを負わなくていいのだ。ましてやそれを脳内であらかじめ予期して、恐怖しなくていい。

他人を見下すという精神活動の自然さはそのようにあるとして、まあ、それを表明するTPOの適切さっていうのは、別問題としてある。誹謗中傷が許されるわけではないし、僕があのとき彼女を泣かせてしまったことは、ひたすらに愚かなポカだった。「俺、みんなの良いところ一個ずつ言えるもん」と見切り発車で言っておいて、一人だけ言い淀むのは。無計画すぎですよね。その後のフォローもひどかったし。僕は生来共感性に乏しいところがあるので、いつだって[共感性に乏しい特徴を持つ属性]っぽいことを言ってしまいがち。それは今もある。どうしようもない。

そんなところ。懐かしい思い出と成長。まあこれは、見下すとか見下されるとか全然考えない今だからこそ考えられることで、まだまだ精神的に未発達だった時期の者からしたら死活問題だったのだろうけど……悩み事は往々にして時間が解決してくれるということを、もっと信じよう。その解決というのも、悩み事がダイレクトに「解消」されるかたちではなく、アウフヘーベンだか脱構築だか、悩み事を構成する基盤自体が「解体」されるかたちで起こる。

「どうしようもない」とか「どうでもいい」とかが、増えてくる。

今現在の悩み事に集中しよう……過去の自分に説教して気持ちよくなるんじゃなくて。他人の精神の構えとにとやかく口出しするのも、立ち回りとしては弱い気がする。

今の悩み事はそうですね、意識がぼんやりとして体調も優れないのに、眠れなくて、文字を打つ以外何のやる気も出ないということだ。↑に書いた解決のメカニズムを参照すると、おのずと解決策も浮かびますね。今のこのコンディションの悪い状態が時間経過にしたがって変わるまで、何もしなくていいということにするのだ。これで悩み事は解体されて、解決した。ええ! すっかり気分良い!

お言葉に甘えて何もしていない。寝そべって遠くの本棚を見ている。もしかして、視力落ちたかな。最上段の本のタイトルが読めない。

ほんの少し寝た。

起きたらパートナーが帰ってきていた。「これで無塩バター買ってきて」と千円札を渡された。僕は過去にも無塩バターのおつかいを頼まれたことがあった。そのとき、僕の持ち金がたまたま口座残高も含めて無塩バターの値段+10円くらいしかなかった。小銭という小銭をかき集めて、なんとかぎりぎりで購入した。それ以来、パートナーから「トロヤくんは無塩バターを買うのに全財産をかけるもんね」みたいないじられかたをしている。僕は買い出しに出かけた。

帰宅した。すっごいエルデンリングやった。祖霊とか倒した。このゲーム面白すぎるし! 世界広すぎるし!

これ美しい。

深夜。PCの前に就いて、敵描いた。解像度下げたのに合わせたバージョン。30分ほど。今日は一日中気分が悪かったけれど、なんとか無事デイリー目標を達成できた! 気負いすぎず、しんどいときは何もせずに時間の経過を待つことを受け入れたことがよかった。

明日は夜に出かける用事があるけど、それでも今週のデイリー目標はきっと達成したい(今週のデイリー目標って言いかたおかしいか?)。

ネム