8時に起きた。
今日は家を掃除すると決めていた。パートナーの誕生祝いとして。本当はご飯のお店とかに連れて行きたかったけれど、今の僕にその経済力はなかった。代わりに「一日なんでも言うことを聞くので、自由に望みを言って。本当になんでもいい。鞭とかでもいいし」と言ったら「床を掃除してほしい」と言われた。

床だけ拭いて終わりなのも味気ないので、すこし本格的にやった。あらかじめ掃除したいところをリストに書いて、それを見ながらこなしていった。

ルンバも稼働。ルンバはルンバ自身に付いていく埃は吸い取れないので、それは僕が拭き取った。
掃除ってあたかも塵や汚れを除去するような印象を受けるけれど、今日やった作業の大半は掃除機の届かない箇所に溜まった埃の拭き取りで、埃掃除というのはただ「動かしている」だけだった。カビや油汚れとは違い、埃は分解・除去されることはない。埃の溜まっているところを拭き取っても、埃は塊となって端に移動するか、拭き取った布に移るかだ。総量は変化しない。布を水で洗い流しても、埃は今度は排水口に移り、そこを埋め尽くして水を詰まらせる。結局、排水口に溜まる埃は僕が手で集めて、ゴミ箱に捨てることになる。ひたすら移動させていく。言い訳の効かない作業に向き合った。右腕がぷるぷる震えた。
疲れた。すごい手を動かしたな。今日はこれをランニングということにしていいや。外は雨だし。家が綺麗になったので、コーヒーを淹れた。
A24製作のカートゥーンシリーズ『ハズビン・ホテルへようこそ』を4話くらい見た。ラジオの悪魔とテレビの悪魔が地獄界のメディアを取り合いながら喧嘩しているという構図がアニメーション的にすごい面白くてよかった。エンジェルという名前のセクシー俳優がプロデューサーからDVを受けており、自他境界が曖昧になっていて、その描写が丹念だった。

雨天。背中の抜糸をしに皮膚科に行ってきた。抜糸は思い出に残らないくらい一瞬で終わった。

帰りに、栗のでけェ〜モンブラン買った。皮膚科で手持ちの金が一銭も無くなったので、クレジットカードで払った。未来の自分を金欠にしている。よくないことです。deal with the devil。モンブランは美味だった。
フリッツ・ラング監督『暗黒街の弾痕』を見た。いかにも昔のハリウッド映画って感じで、売り出し中の男性俳優と女性俳優を恋させて大変な運命を与えて……みたいな。そのあとマックス・ノセック監督『犯罪王デリンジャー』を部分的に見た。『暗黒街の弾痕』とまったく同じカットが使われていて面白かった。パートナー曰く、1930〜1950年代くらい? のハリウッド映画によくあるらしい。
「B級映画」というのは、元々ハリウッドで本命の映画と同時上映されていたライトな映画のことを指す言葉(いわゆるB面的な?)だった。B級映画撮影班は、とにかく大量に映画を生産するために、昔撮影した映画のカットを使い回すということをたくさんやっていたらしい。『犯罪王デリンジャー』は、『暗黒街の弾痕』の雨の中の銀行強盗のカットを使い回していた。既存のカットの中になんか巧妙に新しいカットを入れ込んだりすることで異なるストーリーを作り出していて偉かった。
腰が痛い。今日は店じまい。作業できなかった。5時間くらい掃除したことによる手ごたえと疲労感に甘えてしまった。まあいいや。
卒業制作に向けてDeath the Guitarの新たなBGMが欲しくなった。明日から11月中に、Death the GuitarのBGM一個作ることになった。やるぞー。
タさんと嫉妬の話になったとき、僕はタさんに「僕、人に嫉妬しないんですよね」と言ったが、それは今思えば半分くらい嘘だった。僕は嫉妬みたいな要らんマイナス感情に襲われたときに、直ちにそれを分解する心の動きみたいなのができているだけだ。一度鬱病と認知行動療法を経験しているから、僕が他人を妬ましく思う感情がどれだけ自分を疲れさせるかを体感で知ったのと、かつそれを自分の内部だけで解毒する方法も訓練的に知ったから、受け身をとるみたいに嫉妬心をいなすのだ。きっと、僕本来の性質(というものがあるとすれば)としては自己肯定感が低くて、たぶん普通の人よりもかなり嫉妬しやすいたちだ。日頃から「悔しい〜」とか「羨ましい〜」とか「許せね〜」とか「死んでまえ〜」とか「こんな自分〜」とか、つねにそういうのがグツグツと煮立っている気がする。それらに向き合わないのが癖になっただけだ(それこそが普通の人のメンタルってやつなのかもしれないな)。