素直で頑張り屋

2025 - 12 - 16

9時半に起きた。

最近の曲って3分台で終わることが多いよね。10年前とかのポップスは、4分台くらいが相場だった気がする。最近は2サビを省略して、そのままCメロ→ラスサビに行くみたいな進行をよく聴く印象がある。

リマインダーに「キッチン」とだけ書かれていたのだが、何のことなのかまったく思い出せない。過去の自分に腹が立つ。試しにキッチンに行ってみたけれど、何も思い当たることはなかった。良いキッチンだった。

ベーコン切るの楽しすぎ

すべてがFになる

あ思い出した!!! 先輩からLINEが来ていて、吉本ばななの『キッチン』が面白いよと薦められたので、忘れずに買って読もうと思ってメモしておいたんだ。タイトルだけ書いてもリマインダビリティに欠けるな。「キッチンを買う」に書き換えた。

出かけるのしんどくて渋ってしまったが、なんとか大学へ行けた。設営の2日目。

光るギターのオブジェ。

二つあるうちの展示台の一つを何の用途に使おうか決めていなかった。通りすがりの友達になんとなくそのことを言ったら「もう一個モニター置いてプレイ映像流せば?」と言われて、僕は本当にその通りだと思ったので、研究室から追加のモニターを借りてきた。友達の助言一言で即決。追加モニター用のPCを用意しないといけないけれど、それもその友達が貸してくれることになった。至れり尽くせり。昨日も、僕がスピーカーの端子がよくわからなくて困っていたところを彼に助けてもらっていた。頼らせてもらってばかりだ。

なんか僕のほうも彼の助けになれることがあればいいのだけど。思えば彼も、たまに作品について「ここで困ってるんだよね」みたいなことをナチュラルに口にしていたことがあった。僕はいつもそれらに対し「あ〜」とか言って、「そういう性質があるがゆえに、確かに困るよね」みたいなことしか言えなかった気がする。これって何の差なんだろう。さまざまな差。

設営終わってパン買って食ってさ、オイ(一人称)はこれから映画を見に行く。

電車に乗り、映画館のある街に行った。お友達の竹さんと合流した。我々は今から『エディントンへようこそ』を見る。アリ・アスター監督の新作。『ミッド・サマー』や『ボーはおそれている』のときはタイムラインなど大沸きだった記憶があるのだけど、今作驚くほど話題になってなくない? ホアキン・フェニックス主演なのに。ボーの興行成績が大すべりだったらしいので、広告宣伝費を縮小したとかなのだろうか? 僕はアリアスターが大好きだし、なんなら『ボーはおそれている』が一番好きだ。見るしかなかった。

『エディントンへようこそ』見た。

めっちゃ良かった……。背後の見えない何かに翻弄されて、崖を転がり落ちていくような展開に、アリアスター作品でしか味わえない心地よさがあった。屋根の上を逃げ惑っていたら屋根板が抜けて建物内の模型展示物の上に落下したりしていてよかった。BLM、コロナ、地方土地開発、SNS、陰謀論等の社会派(とくくるのは乱暴か)の題材を、今作はいわば狂気への窓口として利用して、それを足がかりに終盤は好き放題やっていた気がする。確かな問題提起は始終あったんだけれど、そういうのを結局アリアスターの表現の馬鹿力は丸呑みにしてしまった。そんな力強さがあった。ボーと違って今作の主人公は戦闘力が高くてうけた。

竹さんが枯れ葉を見て「リスいるじゃん。あれ絶対リスだよね」と言っていた。「リスじゃないですよ」と言った。

映画を見た後、竹さんが煙草を吸いたいと言うので、喫煙所を探した。映画館のある建物内にはなく、我々は建物を出た。竹さんに「こうなったらどうやって探すんですか?」と訊くと「商業施設なので大体マップがあるはずなんで、それを探します」と竹さんは言った。喫煙者の視点で街を見てみると、普段は気にかけない奥まったトイレのありそうな通路とかが視界に浮かび上がってきて面白い。竹さんはGoogleマップに「喫煙所」と入力していた。それもありなんだ。

デパートに入り、インフォメーションの人に「喫煙所ってどこですか」と訊いた。「◯階でございます」と言われた。一つの階にしかないものなんだ。そんなものなのかな。◯階で、改めてマップを見て、我々はタバコアイコンを見つけた。

喫煙所のドアにはヤニがついて黄ばんでいた。僕は、先日喫煙者のBが非喫煙者のCに(理由は不明だが)あげて、そのCが要らないからと僕にくれたピースの箱を、竹さんにあげた。竹さんはやった〜と言ってピースを喫った。美味いっすね〜と言ってた。ピースってなんか良いやつらしい。煙草の中では。

帰りの電車で、竹さんに好きな映画とかありますか? と訊いた。すると竹さんは『ミッション:8ミニッツ』『ノーカントリー』『コンタクト』『逆噴射家族』『ニュー・シネマ・パラダイス』『CURE』『トゥルーマン・ショー』と、立て続けに好きな映画を語っていった。竹さんの語りかたは、あらすじがよくわかるように説明された上で、それぞれの作品についてどのポイントが竹さんの琴線に触れたのかを明瞭に伝えていて、なんだか感動した。語気に愛着が乗っているように聴こえた。「ジム・キャリーって笑いながら泣いてるみたいな顔するんすよ。それがめっちゃ好きなんすよ」と言っていた。僕は『8ミニッツ』と『コンタクト』と『逆噴射家族』は見たことがなかった。見ようー。ノーカントリーは僕も大好きです!!

「トロヤさんは最近見た映画でいいのありますか」と訊かれて、僕は「う〜ん最近、最近、あっハッピーアワーです。濱口竜介監督の。ハッピーアワーは素晴らしすぎました。あれはもう……不倫とかの話なんですけど……良いです。なんで良いかというと、人間の諸相があって……」「しょそう?」「さまざまな、相です」「あっ諸相」「そうなんです。仲良し四人組の中年女性たちの話なんですけど……あれはままならないというか、現実のどうしようもなさみたいなのを映し出すその感触が良くてですね」みたいな、ぼにゃぼにゃした紹介になった。

帰宅した。パートナーが「中華一筋」というYouTubeチャンネルを見ながら寝落ちした。

ハッピーアワーのプレゼン上手くできなかったし、途中で駅に着いて話が途切れてしまったし、竹さん向けに、今年自分が見た映画で良かったやつ書いておく。

『アドレセンス』映画というかNetflixで見れる4話の短編ドラマです。テーマも映像も展開も凄まじいです。ある種の社会悪が滲みだす現場の生々しさと、それを内包する人々の葛藤とかに胸を打たれました。

『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』これはすごいです。恋と死というありがちな題材なのですが、全体を取り巻くユーモアの空気がいかしすぎてて成立しています。そのことに鳥肌が立ちました。あと演技もよかった。

『チェンソーマン レゼ篇』サイコーでございました。

『アステロイド・シティ』絵本のような撮り方が特徴的なウェス・アンダーソン監督の作品です。力の置きどころがどこにあるのかわからない浮遊感のある脚本に転がされていく感じが素敵だと思いました。

『ソナチネ』見たことあるかもですが! とても感動しました。ユーモアとシリアスと疲労感の混ぜこぜで、自分の人生が遠くのどこかへいってしまうような感触に、喪失感あるいは多幸感みたいなものを感じました。

こんな感じです。おやすみなさい。

あと僕、人からボリュームのある話を聴かせてもらうとき、話者との目線の混じり合いとかがノイズになって集中が途切れやすいため、話の理解に集中するために相手の顔ではなく斜め上とか後ろの景色をボーッと見ておく癖があって、また相槌もおざなりになったりするのですが、もしそれで映画の話ちゃんと聞いていたか不安にさせてしまっていたらごめんなさい。ちゃんと聞いてました。